R08-7

富士山頂における火山噴火予測のための全磁力測定のフィージビリティースタディ

 

Feasible study of total magnetic force measurement for volcanic eruption forecast at the summit of Mt. Fuji

 

 

長尾年恭  Toshiyasu Nagao,

東海大学  Tokai University

 

共同研究者氏名・所属

鴨川仁  静岡県立大学

Masashi Kamogawa, University of Shizuoka

 

研究結果(プロジェクト報告)の概要

富士山頂において噴火予測に資する全磁力観測を目指す。その第1段階として測定機器動作フィージビリティーを測候所内で行う。データ転送はLPWA通信のSONY社ELTRESを用いる。現在、富士山では東大地震研により全磁力計が1台、国土地理院により全磁力計が3台設置されている。いずれも5合目以下の高度であるためそれ以上の高度での計測はない。

本研究ではまず屋外試験観測で全磁力測定を行い、東大地震研によって取得されたデータとの比較を行った(図1)。その結果、ほぼトレンドは同じであることが分かった。次に、これらのデータの差分値(本研究は2分サンプリング、東大地震研では5分サンプリング)の累積度数分布を調べた。その結果、本計測では1シグマ以内が0.5 nTであり、東大の計測に比べてノイズが少ないことが確認できた(図2)。本臨時観測後、屋内にて越冬観測をはじめ、ELTRESを含めたシステムの動作確認をおこなっている。

 

 

 

図1東大地震研(ERI)と本測定。2019年8月24~25日。

 

 

 

図2 差分値の累積頻度分布。

 

 

謝辞:

 

測定機器においてはテラテクニカ社のご支援を頂いた。東京大学地震研究所全磁力データは、東京大学地震研究所共同利用(共同研究利用コード2019-D-07)によるものである。また本成果の一部は、東海大学海洋研究所研究事業「富士山火山噴火予測・減災のための観測的研究」(課題番号2019-01)、公益財団法人ふじのくに地域・大学コンソーシアム共同研究助成「富士山火山噴火予測・減災のための観測的研究」(2019年度)で行われた。