氏名 和田龍一 Ryuichi Wada
所属 帝京科学大学 生命環境学部 Teikyo University of Science, Department of Natural and Environmental Science
共同研究者氏名・所属 定永靖宗・大阪府立大学、米村正一郎・農研機構
研究結果の概要
富士山頂において大気中の一酸化窒素(NO),および総反応性窒素酸化物(NOy)の連続測定を改造した市販の化学発光分析装置を行い、8月6日~8月14日にかけて観測データを取得した。NOは雷や、高温である車のエンジン部にて、窒素分子と酸素分子が化学反応を起こし発生する。窒素酸化物はオゾンを生成する要因の一つであり人体や植物の生長に悪影響をあたえ、光化学スモッグ、酸性雨といった環境問題を引き起こす原因物質の一つである。NOyはNOやNO2を含めた複数種類の窒素酸化物の総称であり、NOやNO2など個々の窒素酸化物に比べて大気中に存在している時間(寿命)が長いことから、より詳細にアジア大陸からの汚染の影響を調べることが可能である。初期観測結果を図1に示す。富士山頂にて観測されたNO濃度(図1下図)およびNOy濃度(図1上図)は、観測期間を通して最低検出感度(1時間平均値:0.2
ppb)以下であった。一方NOy(図1上図)は、観測期間を通して~2 ppbの値を示して変動した。本観測期間中において昼間は近くの排出源の影響がみられる可能性があったことから夜間(18:00-8:00)のデータを使用した。
(英語表記)
Atmospheric nitric oxide (NO) and total reactive nitrogen (NOy) were measured at the top of Mt. Fuji during the summer in 2016. A primitive result is shown in Fig. 1. The
concentration of NO was under the detection limit (0.2 ppb) during the observation period. The concentration of NOy was fluctuated up to 2 ppb during the observation period.
Figure 1 Observed [NO] and [NOy] in the top of Mt. Fuji in summer 2016. Upper panel showed NOy and lower panel
showed NO.
研究成果の公表予定
未定