研究成果の概要:
富士山頂において大気中の一酸化炭素(CO)、オゾン(O3)、二酸化硫黄(SO2)の連続測定を行い、2015年7月21日~8月18日にかけて観測データを得た。COは車の排気ガスや工場など燃焼により発生するため、汚染大気が輸送されてきている指標となる。O3は汚染大気が日射により化学反応を起こすことで生成し、高濃度だと植物や人体に悪影響がある。2015年の夏季の観測期間では、CO,O3が同じような濃度変動をすることが多く、空気が清浄な太平洋から来たのか汚染大気の発生源地域から来たのかを反映していると考えられる。前半と後半でCO濃度に対するO3濃度の増加割合が増加しているように見え、汚染大気からのO3生成効率に違いが見られているのかもしれない。
また、SO2濃度が上昇するイベントが7回観測され、最近活発になっている日本の火山の噴煙が輸送されて富士山に到達した可能性が高い。
Long term observation of carbon monoxide, ozone, and
sulfur dioxide during summer at the summit of Ft. Fuji
Carbon monoxide (CO), ozone (O3), sulfur dioxide (SO2) monitors are installed at the summit of Mt. Fuji during summer in 2015. CO works as an indicator of atmospheric pollution. O3 is produced by
photochemical oxidation process of polluted air, and it makes bud influence to vegetation and human health. In most of cases, CO and O3 show similar concentration change.
High SO2 was detected several time. They were expected to be from volcano in Japan.